10thly Journal 2025

年間ビュー

Kaname Ringによる年間の優先軸設計

10thlyの冒頭には、1年間の個人テーマを視覚的に設計するページがあります。
このページの中心に配置されているのが、**「Kaname Ring」**と呼ばれる円グラフです。

このRingには、その年において自分にとって最も大切にしたい領域(=カナメ)を最大3つまで選び、
それぞれの優先度を割合として記入していきます。
たとえば、「仕事:家族:ヨガ = 4:3:3」のように、数値で自分の軸を可視化します。

優先テーマの可視化と定義づけ

ページ右側のスペースには、それぞれのカナメについてさらに具体的に言語化します。

  • 「家族」というカナメに対しては、たとえば「夫・長女・次女との関係性」など、具体的な人物名や役割を書く
  • 「仕事」に対しては、「新規事業」「副業の再設計」「チーム育成」など、プロジェクト単位での定義も可能

このように、抽象度の高い「領域」を、個別具体の「行動や関係性」にまで落とし込むことで、日々の行動指針が明確化されていきます。

Kaname Ringの目的

多忙な日々の中で、人は自分の軸を見失いやすいものです。
Kaname Ringは、1年間を通して何を基準に選び、何に対してエネルギーを使うかを、
事前に“構造的に定めておく”ためのフレームです。

これにより、予期しない出来事や情報過多の状況の中でも、
自分なりの“判断軸”を持ち続けることが可能になります。

10thlyは、予定やタスクを管理するための手帳ではなく、
「自分にとっての大切なもの」を軸に設計された、時間の羅針盤です。

Kaname Ringは、その最初の一歩を象徴する重要な設計ページです。

年間ページ

1年間(2025年)の全体像を俯瞰できる年間カレンダーです。
長期的なプロジェクトやライフイベント、リズムの偏りを一目で確認できる設計になっています。

■ ガントチャート的に使える構成

横軸が日付(1日〜31日)、縦軸が月(12月〜翌年1月)で構成されており、
各行をプロジェクト単位・テーマ別・家族メンバー別などに分けて活用することで、
年間スケジュールを俯瞰しながら調整や振り返りが可能です。

■ 日付の可視化により、直感的なリズムを把握

祝日や曜日も含まれているため、季節の変化や連休前後の計画など、
時間の流れと生活リズムを視覚的に把握できます。

■ 長期的テーマや周期の記録に最適

  • 妊娠・育児・受験・イベント企画など、長期間にわたる流れを記録
  • 自分自身の体調・気分・成果の傾向を可視化
  • 二十四節気やムーンサイクルなどの自然リズムを反映した予定管理

My Kaname List

このページは、あなたの人生において「何を軸にして生きるか」を可視化するための価値観の棚卸しシートです。
夢や目標のような未来の「したいこと」ではなく、今の自分が本質的に大切にしているものを言葉にして整理します。

目的

  • 日々のタスクや選択を、自分の価値観と結びつけて判断する基準を持つ
  • モヤモヤや迷いの根源が、「自分のカナメとズレていること」にあると気づけるようになる
  • 「何を優先すべきか」「どこに時間をかけるべきか」が自然に明確になる

書き方のヒント

  • 「大切にしたい価値」や「譲れない考え方」「行動原理になっていること」を、キーワードや短文で書いていきます。
  • 例:
     ・「誰かのために尽くす」
     ・「美しいものに囲まれる」
     ・「思ったことを自由に表現する」
     ・「子どもとの時間を犠牲にしない」
  • 欲望ではなく、信条や美意識に近い言葉を選ぶと、本質が浮かび上がります。

このリストは、あなたの人生の羅針盤になります。
行動やスケジュール管理の前に、「そもそも自分は何を大切にしているのか?」を明文化しておくことで、10thly全体の使い方にも深みが生まれます。

Hitotoki List

Hitotoki(ひととき)=「自分らしくいられるとき」
このページは、あなたにとって自然体でいられる瞬間や、心地よさを感じた時間を記録するためのスペースです。
10thlyにおけるHitotoki Listは、タスクや成果ではなく、「在り方」や「感覚」にフォーカスした内省の記録帳です。

目的

  • 自分らしさを実感した瞬間を可視化することで、日常に取り入れやすくする
  • 自分のペースや心の動きを見つめ直す習慣を育てる
  • 人生の優先順位を「気持ちの豊かさ」から整える視点を得る

書き方のヒント

  • 「誰にも急かされずに読書していた朝」
  • 「好きな器でお茶を飲んだ時間」
  • 「誰にも媚びずに笑えていた瞬間」
  • 「本音で話せた夜」

など、ほんの小さな気づきや感覚でOK。
繰り返し見返すことで、「自分にとっての心地よさ」の傾向が浮き上がり、暮らしのリズムや選択の軸に活かすことができます。

Yearly Cycles

10thly独自の「3ヶ月区切り」について

10thlyでは、一般的な四半期(1–3月、4–6月…)とは異なる、
12–2月、3–5月、6–8月、9–11月という独自の3ヶ月サイクルを採用しています。
この区切りは、「1月や4月から行動を始めるのでは遅い」という考え方に基づいています。

狙いは「半歩先の行動設計」

多くの人が1月や4月から新しいことを始めようとする一方で、
その準備に追われることで計画の質や実行力が低下しがちです。

10thlyは、「始まる前に、始める」という思想に基づき、
計画や仕込みを前倒しで行うための設計を可能にします。

  • 年度初めの前に、すでに動き出している状態をつくる
  • 季節や社会の流れに振り回されず、自分のリズムを主軸に置く

このような構造が、主体的な時間設計を支援します。

季節感との一致と、身体的リズムへの適応

10thlyのサイクルは、日本の「二十四節気」や自然の移ろいにも近く、
季節の変化を無理なく取り入れやすい構成となっています。
たとえば、「6–8月」が夏、「9–11月」が秋といった区分は、
生活者の感覚にも自然に馴染む時間軸です。

これにより、計画が「机上の論理」にとどまらず、日常の身体感覚と結びつくことが可能となります。

10日単位の時間設計との連動

10thlyは、「10日ごと」というサイクルをベースにしています。
このリズムは、一般的な「1週間単位」の計画と意図的にずらすことで、
時間への無自覚な慣れをリセットし、再構築することを目的としています。

3ヶ月サイクルも同様に、
「ズレ」から得られる気づきや自律的な調整力を高めるための設計です。

10thlyの年間サイクルは、単なる区切りではなく、
主体的な時間運用を可能にする“設計思想”の一部です。
日常に埋もれがちな「計画と準備」のフェーズに、
構造的な支援を与える仕組みとして機能します。

My Kaname Cycle

このページは、10thly独自の3ヶ月サイクルに沿って、あなたの「カナメ=大切なもの」を意識的に見つめ直しながら生活するための記録スペースです。
12月〜2月、3月〜5月…といったずらした四季ごとのサイクルにあわせて、各月ごとに以下の使い方が可能です。

主な使い方の提案

  • Plan(計画):円グラフを使って、今期に重視したいカナメの配分を描き、月初の目標や意識したいテーマを書き出します。
  • Log(記録):その月の印象的な出来事や気づき、感情の変化などを記録。実際に行動したことや感じたことを振り返りとして残すことができます。
  • My Cycle Essence(本質の抽出):3ヶ月のサイクルを通して、あなたにとって「残したいもの」「核にしたいこと」が浮き彫りになったとき、その“本質”を下部に記載してください。

このページは自由に使っていただくことを前提としていますが、「カナメを中心に暮らす」という視点から、計画と記録の両軸での活用を推奨しています。

My Kaname Years / Hitotoki Years

このページは、未来に向けて自分自身の価値観やライフバランスを見通すための年間ビジョンマップです。
10年間にわたり、各年ごとにその時期の「Kaname(カナメ)」と「Hitotoki(ひととき)」を視覚化・記録します。

My Kaname Years

各年の円グラフには、その年において自分にとって特に重視したい最大3つのカナメ(例:仕事・家庭・学びなど)を選び、割合のイメージを描き込みます。
下のスペースには、それぞれのカナメに関する具体的なテーマやキーワードを自由に記述してください。

目的:
未来に対して“逆算の目標”を立てるのではなく、「その年の自分にとって本当に大切なもの」を可視化することで、変化を前提にした柔軟で本質的なライフデザインを促します。
例:

  • 「2026年は育児中心:育児5・仕事3・語学2」
  • 「2031年は育児が落ち着いてきたので、仕事と自己探求の比重を増やしたい」

Hitotoki Years

こちらは各年において「自分らしくいられる瞬間=Hitotoki」をどのように過ごしていたいか、またはその理想像を記録するスペースです。

目的:
目標達成だけでなく、“心地よさ”や“自分らしさ”といった内面的な価値にもフォーカスし、10年間のビジョンに感情の軸を与えます。
たとえば、「2028年は季節の変化を感じながら散歩できる時間がほしい」「2033年は好きな言葉に触れる仕事がしたい」など、日常のひとときを未来の視点で捉えてみてください。


10年分を一度に考える必要はありません。
ふとした空き時間に1年だけでも埋めてみることで、あなたの「らしさ」の輪郭が少しずつ見えてくるかもしれません。

Monthly Cover Page:Yohaku / Challenge / Yuragi

各月のはじまりには、その月の「カナメ(Kaname)」を中心に据えた円グラフ、カレンダー、そして3つのテーマに沿ったリフレクション欄を設けています。これにより、月単位での流れや重点を可視化し、柔軟で意図的な月間設計を行うことが可能です。

▶ Yohaku(余白)

この欄では、今月「手放したいもの」や「空けておきたい余白」について記入します。
仕事や予定を詰め込むのではなく、あえて余白を意識することで、心と時間のゆとりを確保します。休息・余韻・未定スペースなどの意図的な余白も歓迎です。

▶ Challenge(挑戦)

毎月、ひとつ新しいことに挑戦することで、自分自身の変化や成長を促します。
大小は問いません。「今月は毎朝10分散歩してみる」「人前で話す機会を作る」など、月の彩りを加える“自分だけのチャレンジ”を設定してみてください。

▶ Yuragi(ゆらぎ)

あらかじめ“今月の不安定要素”や“崩れやすい予兆”を書き出しておくことで、リズムの乱れを客観視し、対策がとれるようにします。
体調・環境・季節的要因・人間関係など、どんな揺らぎも正直に受け止めてOKです。予測できる「ゆらぎ」は、整えるためのヒントになります。

10thly Monthly View(マンスリーページ)

10thlyでは、1ヶ月を“3つの10日間”に分けて構成します。この独自の時間設計により、従来の週単位・月単位とは異なるリズムで、自分自身の「カナメ(要)」を観察・調整しながら過ごすことができます。

上部 Kaname Ring(3サークル)

各10日間ごとの「Meguri(めぐり)」において、自分の中で重要なテーマやカナメを記入します。
月初に設定した3つのKanameをより細分化して書き込んでもよく、また10日ごとに変化するフォーカスや優先度を記録するのにも適しています。

左ページ #My 10thly Plan

月初に、その月全体の「大枠の意図」や「計画」を記入する欄です。各日付にも、ToDoやイベントなどを自由に記入できます。
この欄は、自分のペースで使える“プレーンなキャンバス”として設計されています。

右ページ #Meguri 10thly

10日単位の流れを意識した区切りです。
それぞれの10日間に集中したいことや観察ポイント、進捗を記入することで、「日々の小さなサイクルの積み重ね」が実感できるようになります。

下部 #My Kaname Essence

1ヶ月を振り返り、3つのMeguriを通じて“本当に残ったもの”“意識し続けたもの”を抽出・記録します。
Essence(本質)は、翌月以降のKaname選定のヒントにもなります。

#Hitotoki

その月の中で「自分らしくいられた瞬間」や「ふと満たされた時間」など、“感情にゆとりが生まれた時”を記録する欄です。
Kanameとは異なる視点で、あなたの心の輪郭を記録します。

#My 10thly Log(First / Middle / Last)

10日区切りで、初日・中日・最終日のタイミングでメモを残すためのスペースです。
流れの中で起こった気づきや変化をピンポイントで記録し、振り返りを立体的に行うことができます。


このページは、計画・記録・観察・感情という4つの軸をゆるやかに整理するためのベースとなります。
10日間というリズムに慣れることで、より柔軟かつ意図的な時間設計が自然と身についていきます。

10thly Daily Block View(10日間タイムラインページ)

10thlyでは1ヶ月を3つの「10日間サイクル」に分けて構成しています。このページはそのうちのひとつ、10日間=10thlyを深く観察・記録するための構造です。

#Yuragi 10thly(上部左)

この10日間に想定される“揺らぎ”を書き出すセクションです。
体調の波、繁忙期、家族行事、気候など、ペースを乱しそうな外的・内的要因を予測することで、心の準備が整います。
「予測できる揺らぎ」は、計画の強い味方になります。

#Hitotoki(上部右)

この10日間の中で、自分らしさや心のゆとりを感じられそうな瞬間や予定、取りたい時間を意図的に設定します。
小さな「ひととき」の意識が、生活全体の質を底上げする指針となります。

中央グリッド(10日間 × 24時間)

1日ごとの24時間軸を備えたタイムラインです。スケジュール記録にも、活動量・集中度の可視化にも柔軟に活用できます。
10日間というまとまった単位で振り返ることで、

  • 「生活リズムの変化」
  • 「集中と休息のバランス」
  • 「Kanameとの一致・乖離」
    などが自然と浮かび上がります。

このページは「自分の時間を観察する習慣」を身につけるためのベースです。
日常の密度や余白を可視化し、自分に合ったリズムやスタイルを少しずつ磨き上げていくための土台として設計されています。

▶ 10日間単位の振り返りと成長の可視化

10thlyでは、通常の手帳で行う「1週間の振り返り」を、10日間ごとのサイクルとして設定しています。
これにより、従来の週単位では見落としがちな変化や成長の兆しに、より明確に気づくことができます。

たとえば、「毎週火曜のミーティングで上司に詰められる」といった週単位の印象だけでは気づけないような
「前回の火曜よりも、今回は根拠を持って冷静に返答できた」などの小さな進歩が、10日単位のズレによって浮かび上がります。

異なる切り口で時間を捉え直すことで、自分の変化を見逃さず、確かな軌道修正と成長を積み重ねていける――それが10thlyの狙いです。

年末ページ(年間まとめ)

再び年間ページに戻り、1年を通じて得られたKanameの変遷や、来年に向けた意志を記入できるまとめのページです。この年間サイクルにより、自分の内面の軌跡を可視化し、継続的なセルフリフレクションを支援します。

年間カレンダー

10thly Journalでは、日々を「10日単位」で捉え、日常のサイクルを少しずらして眺めることで、内面の変化や本質に気づく設計としています。そのため、一般的な手帳にある「週ごとのカレンダー」は全体構成には含まれていません。

ただし、年度の境目や長期的な計画の補助として、巻末にのみ「月曜始まりの通常カレンダー」を掲載しています。ここでは2024年12月から2026年3月までのカレンダーを一望できるため、外部の予定と手帳内の10日サイクルとを照らし合わせたい場合に活用できます。